巡る溢れる命の音
UPDATE 2026.09.29
2019年のオープン以来、KURKKU FIELDSに佇む草間彌生の作品たち。
畑に隣接し、大地から空に向かって生命を燃やす《新たなる空間への道標》2016。 緑の中に溶け込み、太陽の光を湛える《無限の鏡の間──心の中の幻》2018。 そしてFLACC棟ギャラリーで静かに時を刻む《時は過ぎ行けるか、死への近づき》2014。
これらの作品の前に立つと、私たちはいつも命の巡りや時間の尊さについて深く考えさせられます。
世界中にたくさんの勇気とエネルギーを届けてくださった草間様。 重ねてきた時間を大切に、これからもこの豊かな自然とともに、作品たちを守り続けていきます。
素晴らしい作品と溢れるエネルギーを、本当にありがとうございました。 心よりご冥福をお祈りいたします。
みなさん、こんにちは。アート担当のいずみです。お気軽に「いずみん」とお呼びください。 普段は KURKKU FIELDS でアート作品の管理やご案内を担当しています。
日々の管理のなかで、私自身が “アート” に対してどんなことを感じているかを考えてみたいと思います。

「アートってなんだろう?」 たびたび自分の中で浮かび上がるこの問い。
そのときどきによって自分の答えが変わる。
今の私は「アート」ってなんかおもしろい、もの。こと。
言葉ではなく「なんとなく」世界を伝えてくれるもの。
自分の内側で発生する、あのブワッとなる感じ、ぎゅっとなる感じ、すーっとなるような“なにか”です。
例えば、《新たなる空間への道標》という赤い炎のような作品。
音が聞こえてきた。
声とか、音楽とかじゃなく。
自然のことを、当たり前のように、常にあるもののように、意識しない。
そこにあるもの。

近づくにつれて空が広がり、水面には作品が映り込みます。
夏の暑い日にはオタマジャクシがたくさん。秋に向かっていくにつれてカエルやアメンボになって、作品と一緒に生きている。
私は「この作品は、水がないと完成しない」と思っています。 だから水が減ったらホースで水を足し、満たす。
そのとき「あ、これって隣の畑に水をやるのと一緒だな」と感じて、ふふふ、と何かを感じる。

作品も、水も、生き物も、みんな一緒に生きている。 私はアートを通して、「今、ここに生きていること」そのものを強く感じさせてもらっています。
今いる自分、ここにいる人、目の前にいない誰か、 葉っぱも水も、風も。
今この座っている椅子もそうかもしれない。
ただ生きていると感じる。それだけ。

巡る季節の中で佇む作品たちは、ここに集う人だけでなく、まわりの植物や生き物たちとも一緒に生きているように感じられます。


愛知県出身。経営学部でデザイン思考による製品開発を学ぶ。国際芸術祭あいちでボランティアを経験。その後デンマークに留学し、自然豊かな環境でビデオアートを学ぶ。留学後はアートマネジメントのプログラムに参加し、アートを通した場作りについて考える。これまでを通して、自然とアートが存在することで自分が生きていると実感し、農・食・アートを軸に実践する KURKKU FIELDS に興味を持ち入社。