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小麦は育てるもの、食べるもの、祈りを込めるもの

小麦は育てるもの、食べるもの、祈りを込めるもの

#レポート #ヒンメリ#Lanka

UPDATE 2024.06.30

こんにちは。マーケットの中村圭です。

KURKKU FIELDS では小麦を育て、主にベーカリー Lanka のおいしいパンに使っています。毎年、スタッフみんなで小麦の収穫をしていますが、今年は収穫にプラスしてあるワークショップを行いました!

その内容はズバリ「ヒンメリ」作り。

ヒンメリは北欧で生まれた伝統的な装飾品で、麦藁(むぎわら)を糸でつなぎ、幾何学模様をつくります。

食べることが簡単でなかった時代、北欧では藁を使って美しい形をつくり、神に豊作を祈ったと言われています。ライ麦がよく育てば、たくさんの藁が残る。その藁でヒンメリを作ったのです。貧しい地域では教会にシャンデリアを飾ることができなかったので、ヒンメリをシャンデリアに見立てることもあったそうです。

今回のワークショップにはヒンメリ作家の江守香りさんにご協力いただきました。

北欧家具が好きだった関係でヒンメリと出会った香りさんは、子育てをする中、次第に子どもや家庭と向き合うだけでなく、香りさん個人としての活動を持ちたいと思うようになったそう。

趣味から始まったヒンメリ作りは個展の開催、さらには自然栽培でライ麦を育てるところまで幅が広がっています。

ヒンメリの背景も大切にしている香りさんは「ヒンメリを見て、心穏やかになってほしい」という祈りをこめて作成されており、今回のワークショップのために「種」をイメージしたとても素敵な図案を考えてくださいました!そこにはこんな想いがつまっています。

KURKKU FIELDS のスタッフひとりひとりが、
種になる仕事をしている。
ひとつひとつ種のような点があつまり紡がれている。
スタッフの仕事ひとつひとつが KURKKU FIELDS からお客様へ、
その周りの方々へと広がっていき、いずれは土や空気、
水など自然へと還っていく。
小さな種かも知れないけれど、その種それぞれに役割があり、
いずれは人の心も環境も地球も動かしてくれる
という尊敬の念も込めています。

スタッフ18人がひとりひとつの種を作るのですが⋯⋯なかなか複雑な図案に思った以上に苦戦!

上手に完成させられるのか途中で少し心配になりましたが、香りさんの作品と一緒になりピースがつながった時はその美しさに感激してしまいました。

最後に香りさんのこだわりをもうひとつ。それは糸。一般的には白い糸が使われるヒンメリですが、香りさんは赤い糸を使います。「情熱」「Love」「血」などを連想させる赤は、空や太陽、自然のエネルギーで成り立っている命を感じる色だからだそうです。

フィンランド語で「糸」を意味する Lanka の扉を開けると、赤い糸が通ったヒンメリが出迎えてくれます。

麦藁と赤い糸で生み出された「種」は、それがL anka にある意味を教えてくれるかのようです。

美味しいパンに夢中になってしまうかもしれませんが、Lanka を訪れる際は少し上を見上げてみてくださいね。まもなく、マーケットでは香りさんによる「ヒンメリキット」の販売が始まります。麦藁と赤い糸、それに作り方が記されたレシピが入っています。みなさんの祈りをこめて、お家でヒンメリを作ってみるのはいかがでしょうか。

中村圭KEI NAKAMURA

大阪市出身。関西学院大学総合政策学部卒業、イタリア食科学大学大学院修了。10年ほど大学職員として学生の海外派遣や留学生のサポートを行う。その中で異文化理解やソーシャルインクルージョンに食が深く関わっていると感じ、スローフード運動発祥の地へ留学。季節のものをシンプルにいただくイタリアの暮らしを気に入り、KURKKU FILEDSにイタリア文化に通じるものを感じ、2023年に入社。

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