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「生きる力を養う学校」開催レポート 第1回『土を耕す』

「生きる力を養う学校」開催レポート 第1回『土を耕す』

#レポート #小糸在来#生きる力を養う学校#農業

UPDATE 2024.10.31

みなさん、こんにちは。「生きる力を養う学校」の事務局を担当している中村です。「生きる力を養う学校」は日々の暮らしの中で新たな視点を持ち、生きていくための知恵を学べる場を目指しています。

2024年は「土」をテーマに全3回の開催を予定しており、今回の記事では、10月20日(日)に開催された第1回『土を耕す』のレポートをお届けします!

参加者のみなさんが揃ったのを確認すると、さっそく畑へ出発です。

「土」がどんなものなのか、今回の講師を担当する『株式会社 耕す(KURKKU FIELDS)』農場長である伊藤さんと土を観察しに行きます。

場所は、夏が終わり空っぽになったトマト畑の端っこ。

もし、ここに野菜を植えるとしたら? 
種や苗の気持ちになって土を触ってみます。

ふむふむ、なるほど。地面が硬くなっているのでちょっと寝心地が悪そう⋯。

ここはトマト収穫のために人が何度も歩いた場所なので、かなり踏み固められているのですね。

ふかふかのベッドを作るために、まずは思い思いに鍬(くわ)を入れてみます。一列になって耕す姿はなかなかユニークな光景。深く掘る人、きめ細かく土の塊をほぐす人など、さまざまな「耕す」が出来上がりました。

次に、耕運機で耕すとどうなるのか?
伊藤さんがデモンストレーションで見せてくれました。
あっという間に、均等に土がひっくり返された印象です。

せっかくなので、人間と機械が耕した土それぞれを裸足で感じてみました。少ししっとり、ひんやりした土の温度、やわらかさ、粒の大きさの違いなど、足の裏から驚くほど多くの情報が入ってきます。

「野菜にとって、水は土に留まってほしい。一方、まったく流れないと、根腐れしてしまう。水を保持しつつ、適度に水を逃がしていく。そんな土づくりが肝心」と伊藤さん。なかなか難しいですね。

そして、農業に携わって15年の伊藤さんの師匠がつくった土を見にいくことにしました。

歩いて向かった先は森の中。少し斜面を登って、落ち葉を集めた場所をのぞくと表面の落ち葉の奥から土が出てきました。そう、腐葉土です。とってもふかふかの土になっているここには、冬の間、カブトムシの幼虫などが集まってきます。当日はキノコもちらほらと見かけました。

KURKKU FIELDS で環境保全や循環の仕組みづくりを担当する吉田さんからは、「生物の遺骸と土壌のミネラルが混ざり合うことではじめて土ができあがります」と説明がありました。

次に地面にある木の枝を観察してみます。

太めの枝ですが、中身がスカスカ、軽い! すぐもろもろに砕けてしまいます。よくみると枝の中に白い菌がありました。この菌たちが木を分解し、土を作っていくのです。

「森が僕の先生です。植物や菌、生物、そして水が循環し、土をつくってくれています」と伊藤さん。土がどうやってできるのか少し腹落ちした感覚をもちながら、再び畑へ。KURKKU FIELDS 近辺の在来種で、幻の枝豆とも言われる「小糸在来」を収穫しました。

さて、身体を動かした後はランチタイムです。テーマに合わせたスペシャルランチも「生きる力を養う学校」の楽しみのひとつ。

ダイニングの宮城シェフから、『土を耕す』をイメージした素敵なコース料理が繰り出されました。

前菜で目を引いたのが、植木鉢と小さなにんじんの一品。土に見立てた黒いつぶつぶが気になります。これは、竹炭で色をつけたクスクスにごぼう茶を使ってきんぴら風に仕上げたもので、植木鉢の底には塩茹でした落花生が隠れていました。

小糸在来の枝豆とリコッタチーズを使ったラビオリも、参加者のみなさんから絶賛されていました。

メインディッシュは薪火で調理した猪肉と地中で蒸し焼きにした野菜。農場のハーブを使ったフォカッチャやナスを使ったデザートなど、味も見た目も土を感じられるメニューに会話も弾みます。

美味しい食事を楽しんだ後は振り返りの時間です。

参加者のみなさんからは、

「教科書で習った木が分解され土になることをリアルに経験できた」

「土を知ってから、料理を食べて、それがストーリーになっていることを実感できた」

「 “森が先生” という言葉が良かった」

「今回の体験をまわりの人に発信したい」

といったコメントをいただきました。

講師を務めた伊藤さんは「 “耕す”とは、いのちを育む土台を整えること。そしてそれが農家である自分たちの仕事」と振り返ります。

宮城シェフは「日々、いのちが生まれて終わる。卵は産み落とされ、花は咲き散ってゆく。牛はお乳を出す。自然は待ってはくれないので、人間はそれを追いかけ、自然の中で動いていく。毎週巡ってくる季節をどう料理を通して人に届けていくかという勝手な使命感を持っている」と語っていただきました。

最後に吉田さんが「自分のように場内の自然環境を保全する人、農家、そして料理人という普段の仕事だと交わることが少ない人々が、土を介してつながるのも KURKKU FIELDS のおもしろさ」と締めくくり、第1回は終了です。

ご参加くださったみなさんとも「土」を通して出会うことができたと感じるひとときでした。11月と12月の「生きる力を養う学校」も地球にしかない「土」が紡ぐ出会いを楽しみにしたいと思います。

「生きる力を養う学校」の第2回「土と食す」、第3回「土と暮らす」はまだ若干の空席があります。ご興味ある方はぜひお早めにお申し込みください。お待ちしています。

お申し込み:https://kurkkufields-school2024.peatix.com

中村圭KEI NAKAMURA

大阪市出身。関西学院大学総合政策学部卒業、イタリア食科学大学大学院修了。10年ほど大学職員として学生の海外派遣や留学生のサポートを行う。その中で異文化理解やソーシャルインクルージョンに食が深く関わっていると感じ、スローフード運動発祥の地へ留学。季節のものをシンプルにいただくイタリアの暮らしを気に入り、KURKKU FILEDSにイタリア文化に通じるものを感じ、2023年に入社。

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