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この発見が実るように

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#レポート #地中図書館

UPDATE 2025.10.31

こんにちは。地中図書館 館長の山名です。

読書の秋、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

本が好きな人は季節や天候に関係なく読むことが多いと思いますが、「読書週間」のようにわかりやすいイベントがあると、本を手にとる人が増えてうれしいなとも思います。

かく言う私たち地中図書館も、10月に行われた『Autamun Harvest 2025』に合わせて特別な体験コンテンツを開催しました。試験的な面もあったので、試行錯誤が足らなかったと思うところもあるのですが、地中図書館として非常に学ぶことが多かったと感じています。

ご参加いただいたみなさま本当にありがとうございます!

今回ここに記すのはイベントを経て気づいた発見やアイデアなどが、何年経っても風化しないようにするための雑記のようなものです。

もちろん図書館として必要な記録やデータは、スタッフが管理するコンピューターの中に残しておくのですが、誰もが目にできる形で残しておきたかったので、この場をお借りしました。

最初に振り返るのは『土の中のおはなし会』。

タイトルは、おはなし会の “話し手” としてお呼びしたカタカタさんのアドバイスを受けて決めたものです。

一般的に、参加者に向けて話者が物語を読むことを「読み聞かせ」という言葉で表現しますが、その趣旨は参加者全員でおはなしを楽しむこと。だからこそできるだけ「読み聞かせ」という言葉は使わないというカタカタさんの思いを聞いて、とても素敵だなと感じました。

おはなし会の様子をすぐそばで見守っていましたが、もうひとつ素敵だなと思ったのが純粋におはなしを楽しむ子どもたち。その中でも特に自分の感想や気持ちを表現する姿が眩しく写りました。

どういうことかというと、例えばある程度大人の方になると、本や漫画を読んで無邪気に笑ったり、1ページ1ページの感想を口にしたりすることはほとんどありません。自分の部屋で1人ならするという方もいるでしょうが、周囲に他の人がいる状況ではなかなかできないことかと思います。

だからこそ、子どもたちが本を楽しんだ結果出てくる表情や言葉というのは、他の感想や場の雰囲気を気にすることなく、純粋に自分の内から出てきた自分だけの感想なのではないでしょうか。

改めて本が持つ力、それを読んだ人の心に大きく働きかける力を再確認できた気がします。

次は『青空図書館』について。残念ながら3日間とも好天には恵まれず、青空が覗いたのは3日目の午後に数分間だけでしたが、屋外という特別な環境で読む楽しさを感じてもらおうと開催したコンテンツでした。

もともと地中図書館では、この空間で本を読むことや、本と出会うこと、そして新たな知識や考え方を学び、自分の心を見つめ直す体験をお届けするために運営をしてきました。

設計者の思い・こだわりの籠った建物と、KURKKU FIELDS の図書館だからこそ選ばれた本たち。そのふたつの要因も重なり、贔屓目に見ても他にはない空間・体験であると思っています。

だからこそ地中図書館の中とは違った特別な読書体験もして貰いたい。『青空図書館』を開催して抱いたのはそんな想いでした。

例えば絵本の舞台と同じ景色が広がっているのを想像してみてください。それだけワクワクしてくると思います。図鑑に記された虫や鳥が目の前にいるのも良いですよね。

ほかには草木の香りと共に詩歌を味わったり、あえて畑のかたわらで街作りの本を読むというのもおもしろいかもしれません。

逆にテーマや関連性などいっさい気にせず、心のおもむく場所に腰を下す⋯、マザーポンドの近くのベンチで宇宙の本を読む、などでしょうか。それもそれで不思議な体験ができるかも!

これができるのが KURKKU FIELDSという場所、そしてそこに図書館があることの魅力のように感じます。

さて、本当はもっと記しておきたいことがあるのですが、あまり長くなっても読むのが大変になるのでこの辺りで切り上げておきます。

最後にちょっとした独り言になりますが、『土の中のおはなし会』での子どもたちのように、本を楽しみ、その気持ちをアウトプットできる。かつ『青空図書館』のように KURKKU FIELDS の特別な環境を使った読書体験ができる常設的なコンテンツをはじめられたら良いなと思っています。

スタッフたちと話し合ってアイデアをまとめている所なので、実施までもう少し時間はかかりそうなのですが、良いお知らせができるよう進めていますので楽しみにお待ちいただけるとうれしいです。

山名隆也RYUYA YAMANA

1999年鳥取県出身。奈良大学卒業。大学では仏教美術について研究していたが、本好きが高じて書店に就職。その後、perusシェフである兄から誘いがあり2023年4月にKURKKU FIELDS へ入社。本を通した人間成長、知識の伝承・探究というものに価値を見出している。

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