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食の背景を巡る旅「Unknown Food Journey」

食の背景を巡る旅「Unknown Food Journey」

UPDATE 2026.10.31

はじめまして。KURKKU FIELDSでアートチームに所属しております、松井と申します。

普段は来年開催される「房総国際芸術祭 アート×ミックス2027」に携わったり、今回ご紹介する「Unknown Food Journey」というプロジェクトを担当したりしています。

「Unknown Food Journey」は今年始まったプロジェクトなのですが、このプロジェクトに込めた想いを少し書いてみたいと思います。

当たり前だと思っていた、この日常の向こう側で

東京生まれ、東京育ちの私にとって、いつでも、どこでも、いいクオリティのものが手に入るのは、生活の中でごく自然なことでした。

けれど、いろんな人や価値観に出会ったり、本を読んだりする中で、自分が当たり前に消費してきたものの背景に、少しずつ興味を持つようになりました。私たちが日々何気なく選んでいるものは、巡り巡って大きな自然や社会、地域、文化、さらには海を越えた世界と繋がっている。日々の選択の積み重ねが今の社会を作っているんだと気づいたとき、自分の中の視界がパーーーと開けたような感覚がありました。

同時に、「本を読んで知った気になっているけれど、身近なことすら何も知らないじゃん!もっと実際に足を運んで、見て、聞いて、自分で確かめたい!」とワクワクしたのを覚えています。

まずは一番身近な「食」からと思い、日本や海外のいろんな農家さんのもとへ飛び込んだり、講演を聞きに行ったり、イベントやインターンに参加してみたり。今振り返ると、当時の私はかなりストイックな感じで没頭していました(笑)。

そんな中出会ったKURKKU FIELDSは、正しさや課題を声高に主張するのではなく、アートや音楽、デザインや建築、美しいランドスケープ、そしてシェフの方々が届ける素晴らしい料理といった表現の力で包み込み、心地よく届けている姿がとても魅力的だなと感じました。単にメッセージを主張するだけでなく、人の心を動かすような体験を大切にしている姿勢に、強く惹かれたのです。

「わからない」を持ち寄る、オンラインの広場

そうしてここで働くことを決め、早々に関わることになったのが、
ap bankの新たな挑戦である「Unknown わからないいこと」というオンラインメディアでした。

ap bankは、これまで環境問題や被災地支援、フェスでの実践を通して、社会にさまざまな問いを投げかけてきた団体です。そして、サステナブルというコンセプトを実践していく場として、現在のKURKKU FIELDSへと繋がっています。
「Unknown」は、そうしたリアルの場にとどまらず、人々の日常に溶け込むオンラインという視点から、YouTubeやInstagram、Podcastなどの発信を通して、新たな問いを届けていこうという試みです。

地球の環境や、日々の暮らしを取り巻く社会の変化など、いま私たちが直面しているテーマは大きくて複雑で、個人では簡単に答えを出せないことばかりです。だからこそ、安易な答えやトレンドに流されるのではなく、まずは「自分たちにはわからないことがある」という共通のスタートラインに立ってみる。そして、壁の向こう側にある世界へ想像力を膨らませてみること。そんな問いを日常に届けるのが、この「Unknown」という場所です。

一人の「人」を通すから見えてくるもの

そうして、企画が進む中で、私は「食や農業」をテーマにしたコンテンツを任されることになりました。

ですが、実際に具体的にどんな企画にするかと考え始めたとき、すごく悩みました。

私自身は、生産者さんや地域にすごく興味があるけれど、食や農業の界隈を一歩離れると温度差を感じることもありました。「あまり興味がないのかな」「ちょっと熱く話しすぎちゃったかな」と戸惑うこともあったり。だからこそ、ただストレートに生産者さんや飲食店さんを取り上げるだけではない、何か別の切り口が必要だと感じていました。

世の中にコンテンツがあふれる中で、何をするべきか。 悩み抜いた末にたどり着いたのは、「やっぱり人の心を動かし、共感や変化を生むのは『人』なんじゃないか」ということでした。ストレートに事実を並べるよりも、一人の人間のフィルターを通すことでこそ、新しいオルタナティブを生み出すちからになると思ったのです。

何を見て、何を学び、どう変わっていくのか。
何が美味しくて、何が楽しくて、何にワクワクするのか。
そんな等身大の視点を通すからこそ、届けられる物語があるはずだと。

じゃあ、誰をその「人」にするのか?
色々と話し合う中で、まさかの私自身がこの「Unknown Food Journey」の旅人になることになりました、、!(と言いつつ、別の誰かが取材に行って美味しく食べているのを、裏方で見ているだけなんてめちゃくちゃ悔しい!と思ったのも本音です笑)

日常の「食」から始まる、大きな冒険

そうして始まった「Unknown Food Journey」。改めてコンセプトをお伝えすると、食をきっかけに、人の感覚や価値観、地域や自然、時代、社会で起きていることまで、いろんなところを旅するプロジェクトです。食は、記憶や感情など、私たちの心の一番近くにも繋がっています。そんな個人的な想いと、遠い世界を行ったり来たりしながら、食が持つ豊かな物語を届けていきたいと思っています。

スピードや合理性、分かりやすさが優先されがちな現代。もちろんそれらも社会に欠かせない要素ですし、この先もなくならない大切な仕組みだと思います。その一方で、意識的に選ばないと失われてしまう大切なものも確実に存在します。

毎日の暮らしの中で、私たちは何をどんな想いで選んでいくのか。そんな小さなきっかけや問いを、食という旅を通して、たのしく見つめていけたらと思っています。

まだまだ「Unknown Food Journey」は模索中ですが、ぜひ一緒にこの旅と成長を見守ってもらえたら嬉しいです。

今年の春に撮った動画が、現在公開中です!

第1弾として、私たちが心から尊敬する哲学を持ち実践をする、素敵な3組の方々のもとを訪ねました。代々木で人と地球が健康になる料理を追求する「CIMI restorant」シェフ・向井さん、その料理に使われている、横須賀で千年続く循環農業を営む「SHO Farm」さん、長野の山奥で野生動物や自然と真っ直ぐ向き合う「長谷川治療院 農業部」さん。シェフと生産者、自然、目に見えない微生物から一皿の料理まで、すべてが有機的に繋がる豊かな「食」を取材してきました。さらに、私自身が初めてビリヤニを作りながら企画のことを語る自己紹介動画も公開中です。ぜひ動画でその土地の空気感やみなさまの素敵な様子に触れてみてください。

▶︎【食と地球環境】人と地球が一緒に健康になれる料理とは?|CIMI restorant 向井知さん

▶︎【不耕起栽培】土の中の生態系とともに野菜を育てる「千年続く農業」|SHO Farm

▶︎【鳥獣戯画の日常】野生動物も微生物もすべてがつながる食|長谷川治療院 農業部

▶︎【はじめてのビリヤニ】作って食べながら話す「Unknown Food Journey」のはじまり

松井璃子Riko Matsui

2002年東京都生まれ。
高校時代のアデレード留学を経て、人の根っこに関わりたいと大学で教員免許を取得。日々の小さな選択が社会とつながっていることに気づき、身近な「食」を通して何かできたらと思い、KURKKU FIELDSに入社。現在はUnknown Food Journeyの企画や、房総国際芸術祭アート×ミックス2027のプロジェクトに携わっている。

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