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独り文を広げて

独り文を広げて

UPDATE 2026.07.31

皆さんこんにちは。地中図書館 館長の山名です。
“クルックフィールズのものがたり”に寄稿するのは昨年の雑記以来なので、少し緊張しているのですがやはり文字を扱う、言葉を綴るというのはこの上なく心地の良いものです。
こんなことを言うと奇人・変人を見るような目で見られることもあるのですが、私は「文に触れること」が楽しくて仕方ありません。

今のような文脈で話すと、文字や文章に携わることが楽しい、というニュアンスになりますが、「文」には様々な意味があります。

もよう(文様)、もじ(文字)・ことば(文句)とそれを綴ったもの(文書)、本(文庫)に書物(文献)、人類が積み上げてきたその全て(文化・文明)etc……

言葉も本も服のデザインや食も等しく「文」。
なのでもう一度言いますが、私は「文に触れること」が楽しいのです。
果たして今度の「文」はどの意味で使ったものでしょうか。幾つもの答えが存在するのも「文」の持つ力ですね。

さて、話が広がり過ぎてもよくありませんからここから本題です。
前回の雑記で【本を楽しみ、その気持ちをアウトプットできる(中略)常設的なコンテンツをはじめられたら】という風に記載していました。

一年近く経過した今もこの想いに変わりはありません。

皆さんも本に限らず、“良い作品に出会ったから誰かに共有したい”、“あの作品のあの場面、台詞について誰かと語り合いたい”という気持ちを感じたことがあると思います。
それは間違いなく貴方の心の中から生み出された熱であり、外へ飛び出すことを渇望しているエネルギーです。

私たち大人は、場所や相手の空気を読んで口にする言葉やタイミングを選びますが、それではこのエネルギーが100%表現されることはありません。
それに対して、おはなし会の時に子どもたちが口にする言葉や彼らの姿が綺羅星のように見えたのは、エネルギーの表現が限りなく100%に近かったから。ということなのだと思います。

この気づきを受けて、自分なりに動き出したのが今年の春先のこと。
“子どもたちが羨ましいなあ”ではなく、“誰でも他人を気にせず、それでいて誰かと想いを共有できる”そんなツールがあれば良いのではないかと案を練り、選書でもお世話になっている川上洋平さんに相談したところ、印刷会社のTOP Factory(トップファクトリー)さんを紹介していただきました。

TOP Factoryさんは神奈川県に拠点を構える印刷会社で、紙や印刷物を通して人々のつながりをよくすることや、作り手の想いに寄り添った制作をすることを大切に運営されています。

代表の石川さんがKURKKU FIELDSの5周年イベントに遊びに来てくださっていたことや、川上さんとのつながりもあって簡単な相談の段階から快くご協力いただき、アイデアの推敲や使用する用紙の選定などを進めて来ました。

そうして形になったものが━━
Bookmarks of my imagination 本と出会い感じたものを綴るしおり

書を読み、言葉に触れ、自分の腹の内から溢れてくる想いを書き記す。
3枚に別れたしおりは、1枚は自分の人生の1ページとして手元に残し、1枚は次に同じ本を手に取った誰かが貴方の想いに触れられるように残し、そして1枚はこの地中図書館を訪れた人々の記憶として残す。
そんなしおりです。

近日中に導入予定ですので、また地中図書館のインスタグラムなどでお知らせします。
それまでは今少しお待ちください。

━━独りともしびのもとに文を広げて、見ぬ世の人をぞ友とするぞ、こよなう慰むわざなる。 『徒然草』/吉田兼好

山名隆也RYUYA YAMANA

1999年鳥取県出身。奈良大学卒業。大学では仏教美術について研究していたが、本好きが高じて書店に就職。その後、perusシェフである兄から誘いがあり2023年4月にKURKKU FIELDS へ入社。本を通した人間成長、知識の伝承・探究というものに価値を見出している。

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