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ある日の KURKKU FIELDS
自然が纏う一瞬の香り

自然が纏う一瞬の香り

#エッセイ #COCOON

UPDATE 2023.5.31

こんにちは。cocoon にてサービス、ドリンクの担当をしている小髙です。

冬が終わり暖かい季節となり、クルックフィールズの植物や野山の草花達も華やぐ季節になりました。

クルックフィールズでは畑に咲くエディブルフラワーだけでなく、クルックフィールズ場内の野生の森の植物や、周辺の野山に自生する自然からいただく花や果実も恵みとして活用しています。

特に春は、色とりどりの花やつぼみ、新芽が萌える自然の彩りが豊かな季節。

4月から5月にかけてはいろいろな植物たちが自然の中で生き抜こうと多彩な色の花や香りを纏いはじめます。その一瞬の香りや色彩にあやかろうと、僕たち人間も奔走する季節なのです。

例えば4月初週頃にマザーポンドを歩いていると華やかな杏仁の様な香りが。香りの元は「上溝桜(うわみずざくら)」。山桜の一種で新潟ではつぼみを塩漬けにし保存することで「杏仁」の様な香りが強くなることから「アンニンゴ」という名前で呼ばれています。

翌週には一部の界隈では「鬼が忌避する花」として知られる「藤」の花が咲き誇ります。紫の妖艶な色合いだけでなく野山の蜜蜂が列を成す程に甘い香りを持ち合わせている花です。

さらに翌週にはマスカットやバニラの様な強く甘い香り。今度は「朴葉焼き」などでお馴染みの「朴木(ほうのき)」の花が咲き始めます。

それぞれの花やつぼみをシロップにしたり、塩漬けにしたり、はたまた蜂蜜と共に発酵のニュアンスを加えたりと、香り立つ一瞬のニュアンスを写し取り、場内でドリンクやお料理、お菓子造りのエッセンスとして活用させていただきます。

クルックフィールズで働いていると、普段の生活では感じ得ない自然の営みや移り変わりを感じ取ることができます。

四季に始まり、十二ヶ月・二十四節気・七十二候。暦は最も細かいもので5日に1回変わります。

花が咲くのも一瞬。香りを纏うのも一瞬。その5日間を大切に生き抜くために野に出て山に出て自然を体感しながら、その一瞬を切り取り、お客さまにその香りや色合いを感じていただくのは、絵画を描き鑑賞してもらうのに近いアーティスティックな感覚です。

お客さまのもとにたどり着く時には、1つの料理やお菓子のアクセントとして、グラスの中の一瞬の香りとしての体験かもしれませんが、そのひと時の香りに、そんなストーリーや季節のエッセンスが込められているのを感じ取っていただけなら自然のアンバサダーとしてスタッフも嬉しく思います。

クルックフィールズにお越しになった際は、ぜひともご自身の目で、そして鼻で舌で色とりどりの自然を感じ取っていただけると嬉しいです!

小髙光Hikaru Kotaka

千葉県出身。調理師学校卒業後、都内にて料理人として働いたのち、フランス研修時の本場のワイン文化に惹かれ、酒全般の小売業を経てサービスマンに。軽井沢、松本、金沢、南魚沼とローカルでの仕事を経て cocoon のオープンスタッフとして従事。

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