地中図書館の万華鏡の秘密
UPDATE 2023.5.31
こんにちは、クルックフィールズで広報を担当している小林真理です。
みなさん「地中図書館」にはもうお越しいただいたでしょうか? メンバーの方限定、さらに予約が必要となりますので、なかなかタイミングが合わずにお越しいただけていない方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、地中図書館にひっそりと隠れている「万華鏡」について、少しその裏側をお話ししたいと思います。
地中図書館は、その名の通り地中に埋まっているわけですが、太陽の光が差し込むホールや頭上から光が差し込む小部屋など、「太陽の力」を感じられる工夫が随所に見られます。
農夫が使う本棚、農場の中にある図書館、という建築のコンセプトを建築家の中村拓志さんが見事に形にしてくださり、この世界観ができているわけですが、中でも私が好きなのが2つの万華鏡です。
万華鏡というと、望遠鏡のように覗く筒の先に、ビーズが入っているようなものを想像しますが、地中図書館の万華鏡は「直方体」の向こうに球体が浮かぶように映る、奥行きのある万華鏡です。作ってくださったのは万華鏡作家の山見浩司さん。学生時代にアートの勉強をしに行ったアメリカで、見たこともないような美しい万華鏡に出会い、今では日本の万華鏡の第一人者として世界大会に出場する他、万華鏡の魅力を多くの人に伝えるためのワークショップなども開催しています。
万華鏡のイメージを山見さんに伝えてくださったのは、NAP建築事務所の比佐さん。違った表情を見せるふたつの万華鏡は、どちらも地中図書館の世界観を表した素敵な作品です。
万華鏡のひとつは、自然の中に佇む地中図書館らしく、草花を使った柔らかな表情。「キラキラと輝くよりも、自然に近いマットな色味」という比佐さんのイメージの通り、つぶつぶとしたピンクの花びらや緑の自然の素材が可愛らしい作品です。
もう一つは、縦に入り込む金色の細かい紋様が美しい上品な装いの作品。どんなイメージでこちらの万華鏡を山見さんに依頼していただいたのかを伺うと、「『不思議の国のアリス』のような、クラシカルでフランスっぽく繊細な印象」になるように依頼いただいたそう。色のコンセプトも、アリスと同じ「黄色と水色」を基調にした作品です。
どちらの万華鏡も、異なる印象でそれぞれの魅力があるな、と思って眺めていましたが、今回改めてコンセプトや万華鏡に込められた思いを知り、またゆっくりと味わってみたくなりました。
至る所に、作る人の思いが溢れた地中図書館。お越しの際は、ぜひ万華鏡も探してみてくださいね。
1987年東京生まれ。上智大学卒業。カリフォルニア留学時代にマーケットやオーガニックスーパーに触れ、新たな食の流れに触れる。総合商社で7年勤務する傍ら、2017年に「出会いと暮らし」をテーマにしたマーケット「SUORA CAFÉ」を主宰。2018年より KURKKU FILEDS 創業メンバーとして入社。