土の匂い、風の音 畑の中にある“生きる”実感
【求人募集】
「畑で働くようになって、ようやく“生きてるな”と思える時間が増えたんです。」
そう話すのは、今年新卒で入社し、場内の農作業やタイニーハウスのファームツアーを担当する横溝くん。
まだ農業をはじめて日は浅いけれど、日々新しい発見を重ねながら、命と暮らしの循環を学んでいる。おだやかでいて、一つひとつの言葉に確かな実感がにじむように話す。
毎日の仕事を“味わうように”受け取る人なんだろうな、と感じる。

環境問題に関心があった大学時代、北海道・釧路での3泊4日のワークショップに参加した。
雄大な自然の美しさや、流れる時間の大きさを体感する一方で、消費と生産の分断や、その見えにくさにも気づかされた。続いて学んだインドネシアの環境問題に衝撃を受けたという。
「普段の暮らしで当たり前に消費していたものが、遠くの誰かや自然に負担をかけている。その現実を知ったのは大きな衝撃でした。」
マイバッグやマイボトルを持ち歩くなど、少しずつできることに取り組むようになったが、同時に、一人の行動だけでは世界は簡単に変わらないという無力感も抱いた。
そんな時、ゼミで【パーマカルチャー】という考え方に出会い、オーストラリアの専門学校を探して留学へ。
初級の1年間を学び、持続可能な農法の一種としか思っていなかった考えは、“暮らしそのものをデザインする考え方”だと気づいた。

帰国後、【有機栽培】をキーワードに探して出会ったのがKURKKU FIELDSだった。
パーマカルチャーを実践的に学べること、そして農業だけでなく体験やツアーなど、人々の暮らしに直結する仕事に挑戦できることに惹かれ、入社を決めた。
今は農作業を中心に、収穫体験やファームツアーでお客さんと触れ合う日々を送っている。
作業の途中に顔を上げて、空を見たり、風の音に耳をすませたり、
なんでもない時間が、彼にとって大切な瞬間だという。
「暑い日は暑いなって思うし、雨が降ってきたら寒いなって感じる。
都心にいた頃は、そういう当たり前をちゃんと感じていなかったんですよね。
今はそれを全身で受け止めることで、“生きてるな”という実感があるんです。」
畑仕事でぐったり疲れることもある。
それでも、そのあとに自分が育てた野菜を食べ、また明日も頑張ろうと思える。
野菜を育て、いただくことで、自分の身体の中でもエネルギーが循環してゆく。

タイニーハウスのファームツアーでは、子どもたちが畑で採れた野菜を「美味しい!」と食べてくれる瞬間に嬉しさを感じると話してくれた。
「人前に立って話すことには慣れていなかったので、今でも緊張します。ちゃんと伝わっているかな、楽しんでくれているかなって。」
お子様連れの参加が多く、子どもたちは畑のあちこちに興味が向かう。進行や時間配分に気を配りながら、少しずつこちらに興味を向けてもらうように工夫をする。
ツアーは以前の30分から1時間に変わり、話せる内容も増えた。
農業の話をより多く取り入れられるようになり、案内が終わると「農業ってかっこいいね」と伝えてくれる方も多い。
自身が農業に惹かれた理由と重なり、そのたびに胸が熱くなるという。

「ここでは、体験して終わりではなく、“やってみたい”の始まりを届けたいです。
そのために、まずは自分自身が暮らしの中で実践していくことを大事にしています。」
つくること、小さな循環を暮らしに取り入れること。
KURKKU FIELDSの循環システムの監修や、パーマカルチャーランドスケープデザインを手がける四井真治さんの自宅を訪れたことも、大きな気づきとなったという。
「入社してすぐ、山梨にある四井さんのご自宅での暮らしを見させていただき、“暮らしは総合力”だと実感しました。僕もいつか、百のことができる百姓のように、いろんなことができるようになりたい。
そのために、まずは農業から、色んなことを学んでいる最中です。」
急がず、静かに言葉を重ねる。
その姿は、自然や野菜と向き合う彼の日常そのものを映しているかのよう。

「全部が新鮮で、発見ばかりなんです。野菜の花が咲いたり、芽が出たり。道具ひとつにしても、こうやって使うんだ、直すんだって」
一つひとつを新鮮に受け止めながら、暮らしを深掘りしていきたいと考えている。
ゆっくりと、けれど確かに。
味わうように日々を積み重ねながら、今日も畑に立っている。
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