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#コラム #養鶏

UPDATE 2025.3.31

未来を考える時。100年先を想像する時。僕の場合、目に浮かぶのはピュアな感性で生きている少年少女たちです。

それは “未来のためにできること” を考えた時に “次世代” がキーになるからだと確信しているからでしょうか。次世代を担う彼ら、彼女らの心に響く体験を提供するにはどうしたら良いか。養鶏体験などを通して思案する中で、まず自分自身が少年になること、内なる情熱を楽しむことが大切だと思うようになりました。

KURKKU FIELDS にはスタッフそれぞれの得意分野・フィールドがあり、オリジナルの伝え方や感性・価値観を大切にしている場だからこそ、そんな風に感じるのかもしれません。

僕が多大な影響を受けたスタッフのひとりが吉田さん(以下よっしーさん)。

場内ツアーや生き物観察会など、彼が自然の中で「伝える」様子を見かける度、その姿にフィールドとの呼応を感じます。

話し手の「伝える」に聞き手が「反応する」。大人も子どもも、それぞれの言語で咀嚼(そしゃく)しているように感じました。

先月公開されたものがたり『木を植えるということ、人が生きるということ 』(よっしーさん筆)で紹介されていたエピソードですが、よっしーさんの専門的なメッセージを、小学2年生の子が「地球を壊すのも人間、守るのも人間」と自らの言葉に落とし込んでいたようです。本当に多くの方がよっしーさんの伝えるメッセージに反応していて、その呼応が美しいとさえ思っていました。

入社から3年の月日が経ち、表現力溢れるスタッフと感受性豊かなお客様に囲まれながら、僕も僕なりに養鶏を伝え続けてきました。

にわとり餌やり体験に参加してくれた小学生が、鶏と循環をイメージした「未来のゴミ箱」という題名の絵を描いて持ってきてくれたり、自由研究のテーマに養鶏を選んで餌のことから学びにきてくれたり、大切なおこづかいの使い道をガチャガチャから卵に変えて大事そうに持ち帰る男の子がいたとマーケットスタッフから教えてもらった時もありました。

本当に心豊かな体験を、僕自身がたくさん経験させていただいていると思っています。

この場を借りて心より感謝申し上げます。

僕自身の経験という点では、やはり昨年度の「生きる力を養う学校」はとても印象深く残っています。

2024年度、第2回『土と食す』でのことなのですが、参加者のみなさんの前で鶏を一羽締めました。

その後は宮城シェフ(宮城シェフも僕が多大な影響を受けた尊敬しているスタッフのひとりです。どういうところに影響を受けたか話し出すと止まらなくなってしまうので、ここでは省略。養鶏にも関わるお話しなので、養鶏体験などの伝える場ではしっかりお話しさせてください!)

話を戻して⋯。宮城シェフが鶏を正肉や内臓に解体していく作業の時、最前列にいた男の子が

「ニワトリニクー!」

と言いました。

“トリニク” でも “チキン” でもなく、“ニワトリニク”。

それはお肉になる前の鶏を見ているからこその言葉。羽を抜き、きれいな丸鶏になり、モモやムネの肉を外していく様子をしっかり見てくれた少年の、心からの感激を表現した言葉だったのだと思います。

とてもセンシティブな内容の体験でしたが、宮城シェフのとびっきりおいしい料理の品々でポジティブな感情体験に帰結したように感じました。

“食材の背景には植物を含む生きものの存在がある”

それを伝えていくのが僕の役目だと思っていて、そのためにどんな伝え方をしたらいいのか、どんな表現をしたらいいのかを日々考えています。入社から3年経った今もはっきりとした答えは見つかっていませんが、これからも養鶏や農業に携わる中で、その問いに向き合って行こうと思います。

松村洸大Kota Matsumura

1994年生まれ。東京都府中市出身。20歳の時に旅したインドで鶏に関心を持ち、大学卒業後、北海道生活に浸りながら養鶏業に携わる。都内の実家で10ヶ月間、鶏(雄雌)との共同生活を経て、2022年2月に株式会社耕すに入社。現在も鶏に取り憑かれながら、循環をテーマにした美味しい卵をお客様にお届けできるよう、日々研究中。

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