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KURKKU FIELDS INTERVIEW
私たちの暮らしを
どう循環型に
変えていけるのか(後編)

私たちの暮らしを
どう循環型に
変えていけるのか(後編)

#インタビュー #四井真治#パーマカルチャー

UPDATE 2022.1.1

パーマカルチャーデザイナー 四井真治

(前編はこちらから)

― 堆肥をつくり始めたことで新しい視点がひらいたのですね?

堆肥をつくるといろいろなことを考えるじゃないですか。そこに住んでいる微生物がどのように働いて発酵させるのか、堆肥をつくるバッグの中の環境を考えるということですよね。

人間は水や空気、食べ物が生きるのに必要だけど、同じように微生物にも餌とか、保温性とか、水分、炭素と窒素の割合、いろいろなことを考えて堆肥をつくるわけです。こういうと難しく感じる方もいると思うけど、実際にやってみると簡単なんですよ。そして、やってみるとそこに住んでいる微生物の気持ちにもなれるから、もっと大きな視点で環境のことを考えることができる。

自分たちの本当の豊かさって循環から生まれてくるんだってことを実感して、イメージできるようになってくるんですよ。単に生ごみを処理するということじゃなくて、たくさんの学びや豊かさや可能性を感じられる。土や生き物のことを感じられる機会を自分の限られた住空間でつくれるってことは、とてもいいことなんじゃないかと思います。

そして、堆肥をつくると、できた堆肥をどうしようか、って考えますよね。最初は生ごみを堆肥化したら環境にいいんじゃないか、って思って始める。でも実際やってみると堆肥ができて、それを活かそうと思う。

単に原料として堆肥をゴミとして出すのもあるのかもしれないけど、やっぱり馬鹿らしいですよね。だったらやっぱり土づくりということになる。プランターや植木鉢に堆肥を混ぜて土づくりをして、そこにハーブや野菜、花でもよいので、色々と植えていくといいと思います。

ただ、続けていると、自分の生活から出る生ゴミを堆肥化しても、できた堆肥を量的に使いこなせないと思います。

もう一つは、ベランダだけでできる野菜の量では自分たちの生活を賄えない、ということを実感できると思います。そしたら、じゃあ自分たちの暮らしってどうなんだろう、どうしていけばいいんだろう、と考えるヒントが生まれてくる。そこから本当の意味での循環や、サステナブルな暮らしを考えて実現するためのきっかけになる。

そういう意味で家庭に小さな循環をつくるということはとても意味があることだと思います。さらに KURKKU FIELDS みたいなところに堆肥を持ち込んだり、農家さんと顔の見える取引をしたり、繋がりをつくっていくときに堆肥を活かして貢献できるとより生活が豊かになると思うのです。

都会にいるからできない、ではなくて、まずはできることからやってみてください。

四井真治Shinji Yotsui

人が暮らすことでその場の自然環境・生態系がより豊かになるパーマカルチャーデザインを実践。日本文化の継承を取り入れた暮らしの仕組みを提案するパーマカルチャーデザイナーとして、国内外で活動。ソイルデザイン主宰。

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