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小林武史×小山進シェフ
対談 | 中篇

小林武史×小山進シェフ
対談 | 中篇

#対談 #Mr.Chirdren#小山進#小林武史

UPDATE 2022.7.2

2022年4月19日。PATISSIER eS KOYAMA の小山進シェフをお招きして、KURKKU FIELDS のスタッフに向けた対談を行ないました。話は、2人を結びつけた Mr.Chirdren の話から、小山さんのお菓子を作るクリエイティブ、小林が最近思うクリエイティブにおける流動性の大切さ、そして、まったく違う分野で活躍する二人が共通して感じる「POPと本質」の面白さまで、次々と展開しながら進んでいきます。全3回にわたって文章で対談の様子を紹介します。今回はその第2回。どうぞお楽しみください!

前篇はこちらから
https://kurkkufields.jp/wp/story/sustainablecreative01_1/

小山:僕がどういうきっかけで新しいものを作るかというと、今何が足りないか、今何でお客様に迷惑をかけているかを解消するためなんです。最初に始めた「小山ロール」は、郊外の店でもわざわざきてもらえる“引力”として中心に据えました。「小山ロール」は消費期限がその日限りのお菓子なので、次は日持ちするギフトスイーツを開発しようと思ってバウムクーヘンをつくったんです。その次に何が足りないかを考えたときに、レア感のあるギフトスイーツをと思って、「小山プリン」を開発し、次に「小山ロール」を買うためにできる行列を解消するために、チョコレート専門店をつくりました。

チョコレート菓子だけではみんな驚いてくれないと思ったので、子どもたちも喜んでくれるものをと思い、ボンボンショコラを我流でつくって並べたんです。ハイジにいる時にチョコレート好きな社長のもとでチョコのお菓子をよくつくっていましたが、実は僕のチョコレートって超我流なんですよ。

エスコヤマには、予約受付や商品受け取り専用のギフトサロンがあるのですが、最初はその場所でお菓子教室をやっていたんです。なんでかというと、自分がいつもお店にいることがわかるように、自分の姿をお客様に見せていたかったからなんです。それに教えるのも好きですし、なんかお菓子って楽しいなって地元(三田)の人が思ってくれたらいいな、お菓子の文化をここで根付かせられたらいいなと思っています。勝手な夢として掲げていたのは、三田の子が結婚する時に、お菓子づくりが得意な子ばっかりになったらいいなと思って、技術を教え始めたのがきっかけでした。だから、その時に必要なことが何なのかという形で動き出していることが多いです。

小林:でも、チョコレートはまったくやったことがなくて、独学なんでしょう? それでチョコレートでフランスに行って、サロン・デュ・ショコラで世界一になるわけですよね?

小山:でも世界を目指してきたわけじゃなくて。僕はフランスで修行したこともないしチョコレートのプロに学んだわけでもないし、ハイジでも社長からお菓子づくりについて教わったわけでもない。そもそもが我流なんです。ただ、トータルで面白いことやお客様にプレゼンテーションするクリエイティブをハイジの社長が形として見せてくれたのが興味深くて。僕にとっては、Mr.Children を好きになっていく過程と似ているんですよね。トータルで感じることが好きで、それを分析していくと修行時代のことよりも、子どもの時にこんな体験をした感覚と、これがすごく似ているとか、そういうことをつないで生きてきているような感覚があるんですね。

 

ー 基礎の大切さについて

小林:さっき話している時にちょっと出たけど、「基本」ってあるでしょう? 誰かに基礎を教わった、という感覚はなくても、基本・基礎が大事だというのは思うじゃない?小山さんにとっての基本とはどういうことになります?

小山:お菓子屋さんになると、ひたすら計量ばかりしなきゃいけない時期があるんですよね。何もできないからとりあえず計る。それはみんなが嫌がる仕事だけど、どのみちやらなきゃいけないなら、今しかできないことを楽しもうというスタンスだから、レシピを分析しながら計ったんです。で、それを使って先輩がつくると、美味しく仕上げられる先輩と失敗する先輩ってだいたい決まってるんですよ。それを見ていると、「ああ!失敗してしまう!」っていうのがわかるようになってくるんです(笑)。例えばザッハトルテに入るそれぞれの分量、卵白に対して何パーセントの砂糖を入れるとか、そういうことに興味を持ちながら計っていたらだんだん理屈がわかってきて、それをベースにずっと実験、結果、検証、反省を繰り返してきた。小林さんも以前クラシック音楽のコード分析をされていると仰っていましたが、ハイジにあったものを基本として、その成り立ちをその配合比率で勉強して、その配合比率が僕の中での基本になっていることは確かですね。

小林:すごくいい話ですね。僕も一つの基準みたいなものがあって、それがグラデーションのように、どういう風にずれるとどんな色彩や切なさに移っていくかということに興味があった。それが音楽でいうコード、和声というもの。コードネームもいろんな解釈があってそれ自体が本当に面白いんだけど、僕にとっての基本は、コード。コードマニアなんですよ。音符で書いてあるクラシックの譜面をコードに直して分析して、メロディとルートとコードの3つの要素にバラしてあげると、再生して弾くのがすごく簡単。譜面を身体に覚えさせるということをしなくても、三分の一くらいの時間で弾けると思う。

小山:僕は小林さんのイントロが好きなんです。お菓子でいうと、お客様に最初にどう感じてもらいたいかと同じことをイントロに感じる。掴みにきている感じというんでしょうか。難しいことはわからなくていいけど、とにかくこの曲、このお菓子、いいよね!という、「なんかいい!」というのがイントロに全て入っている気がします。イントロと僕がつくりたいお菓子を商品にしてパッケージをつくるっていう部分に共通性がある気がしています。

第3回につづく

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