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KURKKU FIELDS 夜散歩

KURKKU FIELDS 夜散歩

#エッセイ

UPDATE 2023.11.30

こんにちは。地中図書館のご案内を担当している山名隆也です。

冬至まであと数週間となり、日が沈んでからの時間が段々と長くなってきました。17時ごろには空は真っ暗で、私のいる地中図書館も夜の姿へと変わります。

暗闇の中で本棚だけがぼんやりと照らされ、太陽の力を感じられる日中とは別の趣があるので、是非どちらの姿も見ていただきたいです。

このような光景は、普段は宿泊された方だけが見ることの出来るものですが、今回はせっかくなので、私が散歩しながら体験した夜の KURKKU FIELDS についてお話ししたいと思います。

KURKKU FIELDS では夜間の明かりは最小限にしているので、ライトが無いと足元も真っ暗です。

この日は宿泊者用のランタンをお借りしました。

入口からスタートして、左側の道へ。

BBQ テントには暖かな明かりが灯っていますが、今回は森の方へと進んでいきました。

夜のフィールドへ出て真っ先に感じるのは、冷たく澄んだ空気と自然の音。

暗闇で視界が頼りない分、他の感覚が鋭くなっているのかもしれません。

日中流れている BGM や元気に遊ぶこどもたちの声は聞こえませんが、風に揺れる木の音や流れる水の音など、いつもは聞き逃してしまう小さな自然の音が聞こえてきます。

自分の足音でさえ、歩く場所によって明確に音が変わるのもおもしろく感じました。

しばらくすると目も暗闇に慣れてきて、ランタンの明かりなしでも不自由なく歩けるようになりました。

自分が野生に立ち返ったような気がして、自然の中にいることを強く実感します。

少し寄り道して、増田セバスチャン氏のアート作品『ぽっかりあいた穴の秘密』へ。

自然の明かりが無いためか、日中に鑑賞する時とは作品に対する印象が変わります。

森を抜けてクリエイティブパークへやってきました。

こどもたちの姿はありませんが、虫たちのきれいな歌声が迎えてくれます。

森の中と違って開けたところなので、音の聞こえ方や周囲の明るさが変わり、周囲の環境による感じ方の変化も体験できました。

夜も更けてくると、フラック棟やチーズ工房の明かりも落ちて、KURKKU FIELDS 全体がより暗くなります。

この日は快晴だったので、空を見上げるときれいな冬の大三角が見えました。

うまくカメラに収めることができなかったのが悔やまれます。

草間彌生氏のアート作品『新たなる空間への道標』へ到着。

今回の夜散歩はここがゴールです。

普段あまり馴染みのない夜の環境に身を置くことで、多くの発見がありました。

個人的には、レイチェル・カーソンが著作『センス・オブ・ワンダー』の中で語っていた、「自然の力に包まれた夜の世界」という言葉の理解が、より深まったと思います。

もちろん、日中では自然の力が得られないというわけではありませんが、それとは違った感覚を味わえるのが夜の魅力だと思います。

もしみなさんが夜のフィールドに出かける時は、安全にはお気をつけて。

冬の夜は寒いですし、暗いということはそれだけでも危険なので、無理に出かけなくても大丈夫です。

眠る前の少しの時間に、聞こえてくる音に耳を傾け、星空に目を向けるだけでも、普段とは違う新しい体験ができることでしょう。

山名隆也RYUYA YAMANA

1999年鳥取県出身。奈良大学卒業。大学では仏教美術について研究していたが、本好きが高じて書店に就職。その後、perusシェフである兄から誘いがあり2023年4月 KURKKU FIELDS に入社。本を通した人間成長、知識の伝承・探究というものに価値を見出している。

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