フィールズライフ
私のクルック
フィールズライフ
UPDATE 2021.12.19
こんにちは。KURKKU FIELDS のシャルキュトリーで販売を担当している岡田綾乃です。
木更津出身の普通のおばちゃんです。
KURKKU FIELDS で働くようになって何年か経ちました。おばちゃんにはかなり刺激的な場所です。人はよく「歳を取ったら田舎でのんびり暮らしたい」と言いますが、たぶんこの職場は田舎で過ごしたい願望を詰め込んだ場所のような気がします。のんびり部分はさておき。
オープン以前の仕事から思い起こすと、一緒に働いている主人のジビエ関連の仕事はもとより、ピザの試作、草刈り、石積み、養鶏、製菓、畑仕事、小麦栽培、しいたけ栽培、植樹、酪農、チーズづくりなどなど色々なことに挑戦してきました。
ある日は雨に打たれながら石を積み、またある日は鶏に突かれながら床を出し、またあるときはヤギに引きずられながら斜面を転げ落ちるという、THE 田舎生活とも呼ぶべき日々を満喫してきました。
オープンしてからは、本業のソーセージとワインの販売という仕事がメインにはなりましたが、一度覚えた田舎暮らし体質は薄らぐことなく、かえって私の中で増幅され、もっと自然を知りたいという願望に変わってきたのです。
梅や栗を見ては、いつ収穫しようかと毎日ソワソワ、森に入っては倒木をひっくり返し、きのこが生えていないかどうかを観察します。
たとえば、森の分解者と呼ばれるキノコが、切り株にびっしりついている姿を見ると、軽く興奮してしまいます。
「おお !! 教科書通りに分解しちゃうんだね、きのこたち」って。
その分解速度がとてもゆっくりで、ぱっと見ただけでは分解されているかどうかを理解することができなくても、私には時間があるし毎週のように観察できますから、それはそれは楽しみなのです。
KURKKU FIELDS で数年間を過ごしたことでわかってくることもあります。
昨年は不作だった梅の実も今年は豊作でたっぷりの梅干しを仕込めました。桜が散ったころに鮮やかなピンクの花が咲くだろうと思って植樹したツツジは淡い薄紅色でした。
日々気づかされることばかりです。
とにかく自然と向き合ってあれこれ試行錯誤するのは本当に楽しいです。
まだまだ知らないことがたくさんあります。数年ここで過ごしただけではわかりえないことが本当にたくさんあるのです。
だからこそ、学びながら、ちゃっかりと田舎暮らしを満喫したい。
いつか、藍をこっそり植えちゃって藍染したいし、あわよくば葡萄を植えたいし、あわよくば…。
きっとおばちゃんの野望は、横文字にすれば「サステナブルじゃない?」と勝手に思い込んでいます。
そして、それが、木更津でできたら本当に素敵だなと心の底から思っています。
1971年千葉県木更津市生まれ。聖心女子大学文学部哲学科卒業。日本音楽著作権協会、エイベックスでの勤務経験を経て、出産、育児、フレンチレストラン開業。ソムリエ資格を独学で取得。KURKKU FIELDS 構想段階から事業に参画。ジビエ加工肉・ナチュールワイン販売のほか、チーズ作りや季節の加工品づくり、きのこ探しに情熱を注ぐ。