ブドウ収穫体験記 〜千葉のワイン生産者を訪ねて〜
UPDATE 2023.9.30
こんにちは。マーケットの中村圭です。
先日、マーケットでも販売しているワインの作り手、Sawa Wines に KURKKU FIELDS スタッフ10名でブドウ収穫のお手伝いに行ってきました! Sawa Wines は千葉県八街市にあるワイナリーで、2010年からブドウづくりをはじめ、一昨年から醸造も自社で行っています。
オーナーの山本博幸さんは飲食業に携わる中でイタリアワインに出会い、特にサンジョベーゼ品種の赤ワイン、キャンティを飲み「ワインはおもしろいお酒だな」と感じるようになったそう。サンジョべーゼは、イタリア中部地方を原産とする赤ワイン用ブドウ品種で、「ジュピター(=ローマ神話の主神)の血」という名前の通り、古代から存在していたブドウと言われています。栽培土壌の選り好みが少ない品種なので、近年ではイタリア以外でも栽培されるようになってきたそうです。
奥様曰く、山本さんは結婚した頃は「ぜったい農業はやらない」と言っていたそうですが、気がつくとブドウを育てることに。山本さんのご実家は野菜や落花生の農家。実はお祖父様が、先祖が売ってしまった畑を買い戻し、改めて農業をはじめたそうです。
そんな、家族の思い入れがある土地でのブドウづくり。
「ワインは何より原材料であるブドウが重要。地酒のようなもの。だから、ブドウからやりたかった」と静かな語り口ですが、山本さんの言葉からは情熱が伝わってきました。
今年は山本さんがワインの世界に入るきっかけになったサンジョベーゼの初収穫の年。
しかし、収穫目前である8月1日、八街にまさかのひょうが降りました。サンジョベーゼがある畑は直撃されてしまい、葉はボロボロに。ブドウの実もダメージを受けました。「本来なら、みんなでサンジョベーゼを収穫したかったけれど、ブドウの傷みもあり、テクニックが必要だったので妻と二人で収穫しました」と語る山本さんのお話を伺い、気候変動の影響を肌で感じました。
今回、私たちが収穫したのはシャルドネ。たわわに実り、今にもはち切れそうな粒をつけた宝石のようなブドウたち。山本さんからやり方を教わり、ブドウを傷つけないように、ワインに使える粒を丁寧に選別し、虫などを取り除きながら、収穫していきます。
作業中は山本さんご夫妻にお話を伺ったり、普段ゆっくり話す機会が少ない他部門のスタッフ同士が交流したりとにぎやかな時間になりました。
そして約500kgを収穫!ワインになったこのブドウたちに KURKKU FIELDS のマーケットで再会できるのは来年3月頃。今から待ち遠しい限りです!
きっと、穏やかで誠実な山本さんご夫妻のお人柄を感じられる白ワインに仕上がるのだろうと勝手に妄想中。ぜひマーケットにお越しの際は Sawa Wines の1本をお手にとってみてくださいね。
大阪市出身。関西学院大学総合政策学部卒業、イタリア食科学大学大学院修了。10年ほど大学職員として学生の海外派遣や留学生のサポートを行う。その中で異文化理解やソーシャルインクルージョンに食が深く関わっていると感じ、スローフード運動発祥の地へ留学。季節のものをシンプルにいただくイタリアの暮らしを気に入り、KURKKU FILEDSにイタリア文化に通じるものを感じ、2023年に入社。