VOL.5 ホタルの舞う夜
UPDATE 2023.7.1
こんにちは。よっしーこと吉田和哉です。
日中は暑さを感じるようになった初夏の夜。日が沈めば農場のあたりは涼やかな空気をまとい、気持ちのいい夜を過ごせます。
そんな5月末から6月上旬にかけて、KURKKU FIELDS の周辺ではホタルが舞う季節となります。ホタルの時期には、夜になると宿泊されるお客様とともにホタルを探しに行くツアーを開催することもあり、毎年ホタルを楽しみにしてくれているお客様もいらっしゃいます。
以前は都市部でも頻繁に見られたそうですが、度重なる環境の改変により生息場所は減少し、整備が行き届いている里山環境でしか観察できなくなりました。
ホタルの一生は約1年。多くの期間は幼虫として水中で過ごし、成虫となって空を舞う期間は2〜3週間ほどしかありません。さらに、成虫の姿になってからは何も食べずに、水だけを飲んで暮らしています。
そのため、ホタルが生息するには清らかな水が流れていることが必要になります。KURKKU FIELDS の場内を流れる小川や池の周りでもホタルの幼虫が生息できるように、日々できることから整備をしています。
さて、成虫の間は何も食べず、体長も2cm以下ととても小さな生き物ですが、驚くほどの輝きを見せてくれるホタル。彼らはまさに儚い命を燃やして、たくましく瞬いているのです。
KURKKU FIELDS 周辺では、主に2種類のホタルを観察することができます。
体長15mmと比較的大きく、ゆっくりと舞う姿が幻想的な『ゲンジボタル』は、隣接した場所にある清流に生息。
ゲンジボタルより一回り小さく、草陰でピカピカと可愛らしく光る『ヘイケボタル』は、場内でもたくさん観察することができます。
これから先、ホタルが住める環境が広がり、場内でもゲンジボタルが悠然と夜空を舞う夜を目指して、こつこつと環境を整えています。来年は、どんな景色が見えるでしょうか。
みなさんも、ぜひ一緒に日本の原風景を探しにいきましょう。
1993年千葉県生まれ。大学院で野生生物(対象はアライグマ)の研究をしたのち、ベンチャー企業やリクルートでの営業経験を経て2020年10月に KURKKU FIELDS に入社。「自然の魅力や価値を伝える」ことを人生のミッションとし、KURKKU FIELDSでは循環の仕組みづくりや自然環境保全、果樹づくりを行いながら、来場者向けの体験企画を担当している。