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野菜の季節 〜農作業の始まり〜

野菜の季節 〜農作業の始まり〜

#エッセイ #オーガニックファーム#農業

UPDATE 2023.3.31

こんにちは。野菜栽培を担当している岩本藍です。
今年は例年よりも霜が降りる機会が少なく、3月に入って益々春めいてきました。
お散歩するのにもちょうどいい気候で、多くの方がのんびりと場内を歩かれている姿を目にするようになりました。

さてみなさま、端境期(はざかいき)という言葉をご存じでしょうか? 端境期とは野菜の収穫期と収穫期にできる境目のことで、野菜の量と種類が少なくなる時期のことを言います。

関東近郊では年に2回、冬野菜がなくなって春野菜がでてくるまでの3月・4月、夏野菜がなくなって秋野菜が出てくるまでの9月・10月が端境期に当たります。

なぜ、端境期があるのでしょうか? それは野菜にはそれぞれ種まき(播種)適温と生育適温があり、人間と同様に寒すぎる時期(12月・1月)と暑すぎる時期(7月・8月)を嫌うためです。

これも自然の姿なので、仕方のないことではありますが、野菜の生育は種類によって様々なので、KURKKU FIELDSでは多くの品種を栽培して端境期を軽減しようと試みています。

例えば播種してから1~1.5か月程度で収穫できるのはベビーリーフ・ヤングリーフ。ホウレンソウや小松菜などの葉物は収穫までに2~3か月かかります。トマトやキュウリ、ナス、ピーマンといった夏野菜は2月に播種した苗をビニールハウスでじっくりじっくり育てて5月に苗植え(定植)して、収穫できるのは早くても6月後半になるので収穫まで5か月以上かかります。
さらにニラやアスパラガスなどは播種した年は植物の体づくりに徹するために収穫できず、2年目以降から収穫が始まるものもあります。
このように野菜選びを工夫しても、やはり野菜の種類と量が多い時期と少ない時期は出来てしまいます。

ではなぜ、スーパーなどでは1年中様々な野菜が並んでいるのでしょうか? それは北海道から沖縄という様々な気候に恵まれた日本の素晴らしい環境にあります。
ある地域では野菜が作りづらい環境でも、他の地域では適した環境になることが多々あるため、野菜のリレー栽培が出来ます。

また、KURKKU FIELDSでも行っていますが、ビニールハウスやビニールトンネルなど、数年は再利用できる資材を使うことで野菜を保温して1~数か月生育を早めることもあります。
さらに冬にトマトを栽培する地域や千葉県近郊も含めたイチゴ栽培など燃料を使ってビニールハウス全体を温めて、寒い冬にも野菜栽培を行うことにより、私たちは一年中新鮮な野菜を食べられるという恩恵にあずかっています。

端境期は別名、農繁期(のうはんき)ともいいます。 その名の通り、定植や播種などの農作業が盛りだくさんの日々で、3月に入って少しずつ畑に緑が戻ってきます。 4月になれば、野菜とともに雑草たちも元気よく動き始めます。 野菜が雑草に負けないように野菜周りの草取り(除草)をしていると、母猿が子猿の毛繕いをしているかのような不思議な気持ちになります。

是非変わりゆく春の KURKKU FIELDS をお楽しみください。

岩本藍岩本藍

1978年神奈川県出身。有機農業をアジア・アフリカの方々に教えるNGOでのボランティア経験を通して、農業や環境問題に関心を持つようになる。 大学職員として母校での野菜栽培の経験や千葉県内の有機JAS認定酪農家での酪農作業経験を経て、2022年2月に株式会社耕すに入社。

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